人間仮免中 [おすすめ]
先日読了しました。
著者の経歴等知らずにいたのですが、
大変な人生です。
統合失調症、と字面だけみても、結局自分に関係が無いと、
よくわからないままだった病ですが、オビで井浦秀夫氏が言っている通り、
卯月さんがこっちにいるときに、あっちに行ってしまっているときの自分を
表現してくれていることで、どういう感じなのかが少しわかりました。
あっちに行っているときに書いた手紙なども原文ママにのっています。
そして、卯月さんのパートナーとして横にいる愛称ボビーこと石原さんと
卯月さんの強い結びつきにも、何て言ってよいかわからないのですが、
強いなー、愛があるんだなぁと思います。
冒頭、歩道橋から飛び降りてしまうところから始まります。
顔が別人になってしまった卯月さんのその後を描いたこの出来事に続く後半の前に、
現在のパートナー、ボビーさんとの付き合い始めから、飛び降りてしまうところまでを
描いた前半があります。
淡々と描いてあるから淡々と読んでいるけど、フィクションではなく、
エッセイなのだな、と思うと、単純にすごいな、と思ってしまいます。
そして、現在になっても、決して全てが良い方向へ進んでいるわけでもない。
2012年現在服用中の薬の量がそれを物語っています。
それでもそんな自分の状況と付き合って、あとがきにはまたマンガを描けたらいい、
と結んでいるところに、明るさが見えたのでした。
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